無言電話が、あなたの「もしもし」を盗む恐れ

コラム

電話に出たら無言だったこと、たまにあります。
無言に対して「もしもし」と返したら、そこで切れてしまったこともあります。

単なる間違い電話で、こちらが気分の悪い思いをして終わるなら、まだよい方です。

もしも、この無言に「目的」があるなら、怖い話になります。

ここでは、その目的が詐欺関連である場合に、何が起こっているかを紹介します。

生きた電話番号であるこを知られる

電話に出るだけで、こちらの電話番号が「生きている」ことを知られます。

さらに口頭で応答すると、電話の「持ち主が実在している」ことも知られます。

仮に、大量の電話番号が流出して、その中に自分の電話番号があったとします。

大量の電話番号は、闇取引にあたって「有効な番号」に絞られることで高値で流通します。

無言電話は、詐欺の対象を空振りの無いものとする「目的」のため、絞り込み作業の可能性があります。

「もしもし」だけで声が盗まれる

無言電話には、さらに注意すべきことがあります。

「もしもし」の一言が録音され、生成AIによる音声クローンの分析材料になる恐れがあるからです。

実際には、「もしもし」「どちら様ですか」「はい、○○です」などと発した言葉が多いほど、AIは声の質、癖やイントネーションを学習します。

音声生成AIは、短いフレーズからでも、似た声を作れるようになっています。

この技術を、ボイスクローニング(Voice Cloning)と呼びます。
日本語にすると、音声クローン(音声複製)です。

盗んだ声を使って、その声の近親者にオレオレ詐欺を働けば、その成功率が上がります。
聞き覚えのある声には警戒心が薄れるからです。

オレオレ詐欺の多くは、似た声の人間が演技をするものでした。
しかし近年、AI音声クローンを使った詐欺が増えています。

米連邦取引委員会(Federal Trade Commission、略称:FTC)は、「声を信用しないでください」と注意喚起しています。

FTCは、アメリカ合衆国における公正な取引を監督・監視する連邦政府の機関です。
「詐欺師はAIを使ってあなたの愛する人の声をコピーすることもあります」と言っています。

AI音声クローン詐欺が日本で広がるのは時間の問題でしょう。

FTCの記事はこちら↓
詐欺師はAIを使って家族の緊急計画を強化しています

無言電話は、声を盗む「目的」のため、そのデータ収集作業の可能性があります。

特殊詐欺の当初接触ツールは電話が8割超

警察庁の資料によると、特殊詐欺被害の当初接触ツールは電話が約8割と大半を占めます。

警察庁の資料はこちら↓ ※4/21ページを参照
令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)

詐欺のアプローチの大半が電話であることを考えると、単に無言電話に憤慨していてはダメです。

「目的」があって無言電話が着信することを知って、無言電話への対応によって、その先の展開が変わるという認識が必要です。

無言電話への対処方法

電話に出るときは、無言電話への対応を意識しておくことが大事です。

無言電話には、対処方法があります。

こちらが先に声を出さない

先方からの電話なので、先方が先に名乗るのが常識です。
こちらが先に名乗る必要はないでしょう。

これは、会社ではダメと言われるでしよう。
しかし、個人の場合はありです。

先方が無言なら、こちらから声を出さないことです。

電話を切る

電話に出て「はい」「もしもし」などと応じてしまったあと、先方が無言だったときは、すぐに電話を切ることです。

この場合、「どちら様ですか」と尋ねたり、「○○ですが、何でしょう」などと会話しようとしないことです。

無言電話に詐欺の「目的」があれば相手の思う壺です。

電話に出る前の確認機能を有効にする

電話の機種によっては「電話に出る前確認」ができたりします。

相手の声が聞こえたら電話を取る、ということが可能になります。

これなら、無言電話に出なくて済みます。

おわりに

無言電話が、あなたの「もしもし」を盗んだあと、身内に被害が及ぶかもしれません。

そんなこともあると思って対処する必要があります。

日本国内にも「もしもし」だけで声が盗まれることが現実化しつつあります。

生成AIによる音声クローンが悪用されることで、社会生活が従来のようにはいかない場面があります。

生成AIにより社会全体が変わりつつあります。

気がついたとき、一昔前とはガラッと生活が変わっているはずです。

意識を向けておくことが何より大切と思います。

参考になりましたら幸いです。

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