10年前の「AIに奪われる職業予想」の大外れが明らかです。
AIに奪われやすいのは「創造的職業」や「知的職業」であり、逆にブルーカラーへの影響は僅かです。
米国では、ブルーカラー職の高額収入が注目されています。
職業訓練校への入学者が増加傾向にあり、「ブルーカラービリオネア」を目指す現象が生じているそうです。
生成AIの進化でホワイトカラー職が減少する一方、ブルーカラー職は人手不足のため賃金が上がっているとのこと。
なかには年収2000万円を稼ぐ「ブルーカラービリオネア」もいるようです。
それにしても、AIに奪われやすいのは「創造的職業」や「知的職業」でありことは予想できなかったのでしょうか。
AIに奪われる職業は予想できたこと
代替可能性が高いと予想された職業は、営業員、事務員、レジ係、タクシー運転手などです。
代替可能性が低いと予想された職業は、デザイナー、コンサルタント、クリエーター、エンジニアなどです。
代替可能性が高いとされたのは、主にブルーカラー職で、現場中心の仕事です。
代替可能性が低いとされたのは、主にホワイトカラー職で、オフィス中心の仕事です。
筆者の経験では、WindowsPCが普及して以来、オフィス仕事は10年ごとに変化しました。
オフィス仕事はPCを使う仕事ばかりです。
職場によって使うソフトに違いはあっても、だいたい似たような仕事です。
PCやソフトが進化すると仕事に影響します。
PCの先端機能がAIなら、いち早くAIに奪われるのはオフィス仕事でしょう。
仕事の進め方やPCの使われ方を知っている人には、ホワイトカラー職の方が代替えされやすいのは前から分かっていることです。
AIが得意とするのは定型業務
AIが得意とするのは定型的な仕事です。
・データ処理
※入力、出力、移行、変換
・文書作成
※契約書、メール文、議事録
・データ分析
・サポート対応
これらはAIの得意とするところです。
実際、AIの進化により、決まった手順や動作を繰り返す事務作業は、人がすることではなくなっています。
例えば、大手企業なら、問合せ窓口業務にAIチャットを導入しているでしょう。
その業務をしていた人は、人にしかできない業務にシフトしていきます。
そして同じ職場に居るなら、より高度なスキルを求められます。
人は、その過程でふるいに掛けられます。
高度な判断業務を任されるか、現場仕事に転属させられるか、どちらかの場合が多いでしょう。
そのふるいにも入らないなら、厳しい選択が待っています。
AIが不得手なのは現場仕事
ブルーカラー職は現場仕事の性質上、全てをAIで代替えすることはできません。
現場仕事はAIの得意分野ではないからです。
そもそも、現場仕事に完全なマニュアルはありません。
あるのは手順書であり、使用材料、使用量、グレード、管理温度、注意点などの記載ばかりです。
手触りで品質を判断するような熟練技術については載っていません。
言わば、現場仕事はアナログスキルです。
AIにとって、臨機応変に対処することは不得手です。
ブルーカラー職の業務のなかで、一部の管理業務はAIで代替えできるとしても、現場仕事の代替えは無理と言えます。
現場仕事を代替えするには、それをこなせるロボットの開発も必要です。
実現させようとすると、人件費より高いコストが掛かります。
フィジカルAIが開発されつつありますが、自由自在かつ自律的に仕事をするレベルに達するのは未だ先でしょう。
さらに人件費より安いコストで普及させる必要もあります。
このように、現実的には難しい問題があります。
ただ、これが現実になるとき、ブルーカラー職の仕事はAIに奪われると思います。
AIに代替えされにくいブルーカラー職は万年人手不足
冒頭で、米国ではブルーカラー職の高額収入が注目されていて、「ブルーカラービリオネア」を目指す現象が起きていることに触れました。
生成AIの進化により、ホワイトカラー職の仕事を奪いつつあります。
日本は米国と違い、「ブルーカラービリオネア」を目指す現象は先のことでしょう。
なぜなら日本のブルーカラー職は、勤務時間のシフト、有給休暇が取れない、収入が安定しないなどがネックになって避けられがちだからです。
日本では、ブルーカラー職は全般的に常に人手不足です。
それなのに収入が上がらない不思議さで、需給関係が機能していません。
人件費を下げようとして、シルバー人材を雇用したり、パート勤務が当たり前だったりします。
さらには外国人を使って人件費を削ろうとします。
これでは、いつまでもブルーカラー職の賃金は上がらないでしょう。
低い人件費で成り立つ仕事をAIに置き換えるのは進まないでしょう。
初期投資や保守管理を考えると、かえって高くつくからです。
AIに奪われる職業予想は難しい
日本では人件費の低いことが、AIへの置き換えを止めている面があります。
ブルーカラー職が人手不足なら収入が上がる、といった需給関係が、米国のように機能していないのが問題です。
AIで代替えできる可能性がある仕事でも、それが高くつくなら進みません。
AIに奪われる職業を予想するに際し、経営事情や賃金水準も考慮する必要があります。
そこまで考えに入れておかないと、AIに奪われる職業予想は難しいと思います。
参考になりましたら幸いです。

