「補償と保証」言葉の正しい使い方

運用

「スマホのほしょう」を調べていて分かったのですが、「補償と保証」の言葉が適切でない事業者が見られます。

通信事業者が端末の故障や紛失を「保証」するのは、言葉の使い方がおかしいと言えます。

通信事業者ができるのは「補償」です。
「補償」は「損害が発生した」ものについて「償い、埋め合わせること」です。

一方、製造業者がするのが「保証」です。
「保証」は、製造業者が「大丈夫である証」を示すときに使用します。

記事を起こすために通信事業者のサイトを調べると、言葉の使い方が統一されていません。
そこで今回は「補償と保証」言葉の正しい使い方をまとめます。

「スマホのほしょう」については別の記事をあげています。
※記事はこちら↓
「スマホの補償」入ってる? 補償の必要性とは

補償と保証と保障

補償の意味

広辞苑では
・損害や出費を金銭などでおぎないつぐなうこと
とされています。

「償い」を補う意味なので、他人に与えた損害(償い)を金銭などで補うことを意味します。
なので、他人に与えた損害を金銭などで補う場合に「補償」を使用します。
「損害が発生した」ものについて「償い、埋め合わせること」です。

保険の分野で、自動車保険、火災保険、地震保険、傷害保険などの損害保険に「補償」が使用されます。

保証の意味

広辞苑では
・大丈夫だ、確かだとうけあうこと
とされています。

その人物や製品について責任を負うことを意味します。
「損害が発生しない」ことを「保証」するわけです。

製品に付いてくる「保証書」には「保証」を使用します。
製造業者が「大丈夫である証」を示すときに使用されます。

保険の分野で、年金関連の商品に「保証」が使用されます。

保障の意味

「ほしょう」には「保障」もあります。

こちらは
・障害のないように保つこと
・侵されたり損なわれたりしないように守ること
とされています。

安全保障、社会保障、人権保障といった、地位や権利などを保護する意味に使用します。
「損害が発生した場合の埋め合わせ」を予め取り決め約束しておくことです。

保険の分野で、生命保険や医療保険の商品に「保障」が使用されます。

混在使用の許容

保険には分野があり、第1分野を「生命保険」、第2分野を「損害保険」、第3分野を「医療保険」と分けられます。

保険の第1分野の「生命保険」は生命保険会社が取り扱います。
保険の第2分野の「損害保険」は損害保険会社が取り扱います。
保険の第3分野の「医療保険」は生命保険会社と損害保険会社のどちらも取り扱います。

そのため第3分野では、生命保険会社では「保障」、損害保険会社では「補償」が使用されます。

混在使用しているようにも見えますが、使い方が明確なので許容できます。
言葉の使い方は業界のなかでルールとして確立している感があります。
金融機関なので、しっかりしていると思います。

インフラを担う通信業界には成熟してもらいたい

よく聞く「スマホのほしょう」
水没や紛失や盗難もほしょうしてくれます。
これは自分の過失のほしょうです。
過失までほしょうするのは、自動車で言えば「車両保険」です。
なので「補償」が適切です。
通信業界が成熟していないためか「テキトー」に使われていて、細かい点が「キッチリ」していないと思われます。

以前「通信業界は他業界と感覚が違うみたい」という記事で、通信業界の異質に感じる点をあげました。
最近もあらためて異質さを感じました。

楽天が「0円」を廃止して値上げしました。
既存の契約者との契約内容を「変えれる」とは驚きの業界です。

約款に一方的な内容変更が可能なことが盛り込まれていたかは知りません。
普通の真っ当な業界では「ありえない」ことです。
「ヤクザ」な感じと言えば言い過ぎでしょうか。「嫌な感じ」は否めません。

まとめ

補償と保証と保障の違いを見ると、同音異義語のむずかしさが分かります。
使い分けは難しいですが、状況に応じて使うべき言葉は決まっています。

漢字のよいところは、見ただけで「スッ」と意味が読み取れることです。
漢字の良いところを無駄にせず、適切な使い方をしたいものです。

訪問していただきありがとうございます。

タイトルとURLをコピーしました