GPSとは?圏外でも使える仕組みの解説

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GPSはスマホが圏外でも使えることはご存知でも、その理由を知らない方は多いのではないでしょうか。

同じデバイスで通信していれば同じ通信方式なのではと思われて、あれっ?と混乱しがちです。
しかしGPSとスマホ通信はまったく違うものです。

今回は、GPSの仕組みを押さえておきたいと思います。

GPSとは

GPSは人工衛星を使って地球上の現在地を割り出すシステムのことです。

「Global Positioning System」の略で、日本語では「全地球測位システム」と訳されます。
全地球測位システムは、アメリカ合衆国によって運用される衛星測位システムです。

主役はGPS衛星ですが、これは地上に向けて電波を飛ばしているだけです。

GPS衛星からの電波は、地上のカーナビやスマホなどで受信します。

カーナビやスマホなどの受信機とGPS衛星との距離は、電波を使って測定できます。
このGPS衛星が発信する電波には時刻データも含まれています。

電波が発信された時刻と電波を受信した時刻が分かれば電波の到達時間が計算できます。
電波の速度は光の速度と同じ秒速約30万キロメートルです。

電波の到達時間と電波の速度を掛けることで、GPS衛星と受信機の距離が分かるわけです。

ここで、あるGPS衛星と受信機の距離が分かっても、GPS衛星からのその距離は、GPS衛星を中心とした円球上のすべての場所が候補です。
なので、1つのGPS衛星からの電波だけでは位置を特定できません。

そこで最低3つのGPS衛星からの電波が必要となります。

ただ、この世界は立体で複雑です。
そのため、実際には4つ以上のGPS衛星からの電波を利用しています。

スマホの通信は衛星からではなくキャリアの基地局から

携帯電話が通信するのは携帯通信事業者(キャリア)の基地局です。
電話やインターネットでは、携帯電話は近くの基地局と無線通信を行います。
基地局は、他の基地局との通信やインターネットへ接続する中継の役割を担います。

携帯電話は近くにある基地局を探して通信を行います。
すなわち、基地局が近くにないと携帯電話が使えない仕組みです。

そのため、スマホの電話やインターネットは、圏外になると使えません。

GPSがしていないこと

GPSがしていないことを押さえておきましょう。
勘違いするポイントなので、知っておくと理解が進みます。

・受信機に「あなたの現在位置はここです」と教えることはない
・カーナビにルートを作成して教えることはない
・GPS受信機の位置を探知することはない
・GPS衛星とGPS受信機が通信することはない

GPS衛星からのGPS信号をGPS受信機が受け取り、受信者自身が現在位置を知るシステムがGPSです。

GPS衛星は、地球に向けて時報と発信元衛星の天体暦(軌道)情報を発しているだけです。
GPS信号とは、GPS衛星が発している電波のことです。
GPS受信機は、GPS衛星からの電波(GPS信号)を受信して、個々のGPS衛星との距離を算出しているだけです。

GPS受信機には送信機がありません。
そのため、位置情報をGPS衛星に通知するのはそもそも不可能なのです。

GPS受信機は受信するだけ、GPS衛星は送信するだけ、それぞれの役割はシンプルなんですね。

スパイ映画などで超小型GPSが受信したGPS信号を送信する場面があったりして誤解を生じます。
この場合、個別に内蔵された機器を使って送信していたりしますが、これはGPS機能ではありません。

おわりに

今回はGPSの仕組みを解説しました。
GPSの理解が進めばスマホ通信との違いも分かるでしょう。

スマホのGPS機能がスマホ通信と違う方式で働いているなんて理解し難いですね。

GPSの仕組みを知っておくと役に立つことも多いでしょう。

参考になりましたら幸いです。

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