「メールソフトとメーラー」は「Webメール」と対比したときの言葉の使い方が分からない

IT

メールソフトとメーラーとWebメールは言葉の使い方が難しいと思います。
基本的な使い方は、メールソフト(又はメーラー)とWebメールに分かれるようです。

ネットなどの記事を見てゆくと
・メールソフトは、メールソフトとWebメールの2種類に分かれる
・メーラーは、メールソフトとWebメールの2種類がある
・Webメールは、メールソフトを利用する方法とWebメールを利用する方法の2種類の方法で利用できる
と表現されたりします。

一方で
・Webメールはソフトのインストールを必要としない
と説明されたり
・メーラーの説明の際にWebメールとの違いを強調
したりします。

「??」ってなります。
・Webメールはソフトなの?ソフトじゃないの?
・Webメールはメーラーなの?メーラーじゃないの?
という疑問が湧きます。

ちょっと混乱してきたので、言葉の使い方を整理したくなります。

メールソフトとメーラーとWebメールという言葉の正しい使い方

メールソフトとメーラーとWebメールという言葉は、いろいろな使われ方をされます。
冒頭であげた表現などは、言葉足らずと思えます。

以下の例は、これらの言葉の関係性を正しく使っている表現です。
※実際の使われ方を完全表現して集約した

例①

一言でメールソフトと言っても、メールに関わるソフトウェアには多くの種類が存在する。
狭義のメールソフトは利用者が直接扱うもの、広義のメールソフトは送受信のサーバー上で動作するソフトウェアを含めたりする。
いろいろな意味で使われるメールソフトという言葉には多義性がある。
メールシステム全体に関わる話しでは、きちんとした言葉の使い分けが求められる。

例②

メールは、広義では、電子的にメッセージを交換するシステムやサービス、ソフトウェア全般を指す。
携帯電話のSMSや、各種のネットサービスやアプリ内の利用者間のメッセージ交換機能などを含む。
メールは、狭義では、SMTPやPOP3やIMAP4などのプロトコル(通信規約)やデータ形式を組み合わせて構築されたメッセージ交換システムを指す。
単にメールと呼ぶときは一般的に狭義の意味で使われる。

例③

メーラーという言葉は、メールソフトとWebメールを包括した表現で、メールの送受信を行なうためのツールという広い意味を持つ。
メーラーやメールソフトという言葉が混同されて使用されることがあるので、端末にインストールして使用するメールソフトのことなのか、ウェブブラウザで使えて端末を選ばず使用できるWebメールなのか、どちらのことを言っているかの理解が読み手側に求められる。

例④

Webメールと端末のメールソフトを利用するメールを区別するために、後者を仮に一般メールとか通常メールと呼ぶことがある。

例⑤

メーラーとは、メールソフトやWebメールなどのメールシステム全般のことを指す。

例⑥

Webメールは、ウェブブラウザを使って行うメールのことで、パソコンに入っているメールソフトにメールの設定を行ない、そのソフトを立ち上げてメールの送受信を行なう。
Webメールは、インターネットで使用するウェブブラウザ(EdgeやGoogle Chrome)を立ち上げ、Webメールにアクセスするとメールソフトが立ち上がるイメージである。
Webメールは、端末のソフトに依存しない。

例⑦

Webメールの利用者が増えてきて、Webメールを含めてメールソフトと表現されることが増えた。

メールソフトとメーラーとWebメールという言葉の使い方を整理

メールソフトとメーラーとWebメールの正しい表現から言葉の使い方を整理します。

疑問のひとつである、Webメールはソフトなのかソフトじゃないのかについては、ソフトとも言えソフトでないとも言えます。

Webメールは、ウェブブラウザを使って行ないます。
ウェブブラウザは、WEBサイトを閲覧するために使うソフトのことです。
パソコンやスマホには最初からブラウザが入っています。
Webメール使用のために端末にソフトをインストールする作業が要りません。

しかし、ウェブブラウザ自体はソフトですし、その先のWebメールにアクセスすると、そこでのソフトが稼働します。

Webメールは、端末のソフトに依存しないため、狭義ではソフトと言わない使い方がされます。
また、Webメールは、ウェブブラウザとWebメールサーバーでソフトに依存するので、広義ではソフトと言えます。

もうひとつの疑問である、Webメールはメーラーなのかメーラーじゃないのかについては、メーラーと言えます。

メールソフトとメーラーは基本的に同じ意味です。
しかし、全く同じ意味ではありません。
メーラーはメールソフトより意味が広い言葉です。

メールソフトを利用する方法とWebメールを利用する方法の対比では、言葉の違和感が小さいと思います。
ここで、メールソフトをメーラーに置き換えて表現されると、違和感が大きくなります。
メーラーは、メールソフトやWebメールなどのメールシステム全般のことを指します。
ここで、メーラーをメールソフトの意味として使用すると、Webメールは狭義ではソフトと言わない使い方なので、Webメールはメーラーでないことになります。
これが違和感の正体です。

正しくは、メーラーはメールソフトとWebメールを包括した表現です。
メールの送受信を行なうためのツールという広い意味で用います。
Webメールは、メールソフトとの対比では、メールソフトではない位置づけで語られます。
しかし、Webメールはメーラーの範疇にあります。

まとめ

仕組みの全体が分かっている人たちは、言葉の微妙な違いを整然とさせる思考回路ができているので、違和感を覚えるこはないでしょう。

業界人や熟練者が当たり前に使っている言葉には、初心者に分かり辛いことがあります。
そうなると、初心者は引っかかって進めなくなったりします。

IT用語は、用語同士が絡み合っているせいか、用法に狭義と広義があったりします。
また、利用者が増えてくると、言葉の使われ方が広くなる傾向があります。

法律用語のように定義が固まっていないようです。
※ただし法律用語を適用するにあたっては解釈の違いはある

今回は、筆者が違和感を覚えていたので、一度は整理しておきたいと思い、
「メールソフトとメーラー」は「Webメール」と対比したときの言葉の使い方が分からない
というテーマを取り上げました。

これらの言葉は、いろいろな角度からの使い方ができるようになって慣れてくると、自然と読み替えができるようになると思います。

この記事が参考になれば幸いです。

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