Windowsのネットワーク設定は適切?「パブリック」と「プライベート」の違い

用語

Windowsのネットワーク設定に「パブリック」と「プライベート」があります。

「パブリック」は「公共」を表し、「プライベート」は「個人」を表します。
そのため、「プライベート」という言葉の方が、より個人を守る意味に思えてしまいます。

しかし、この理解は間違いなんです。
紛らわしいので、用語の意味を押さえておきます。

ネットワークの「パブリック」と「プライベート」の意味

そのPCを、ネットワーク上に公開せず、他からのアクセスをさせない設定が「パブリック」であり、ネットワーク上に公開して、他からのアクセスを可能とする設定が「プライベート」です。

パブリックネットワークのパブリックの意味

パブリック環境で望まれるネットワーク設定となります。

公衆ネットワーク、と言われたりします。
カフェの Wi-Fi ネットワークなど、外出時に接続するネットワークで使用します。
この設定のPCは、ネットワーク上の他のデバイスに表示されません。
そのため、このPCはプリンターやファイル共有に使用できません。

自宅や職場でもセキュリティを強化したいなら、パブリックネットワーク設定とします。
この設定で使用するのが標準となります。

プライベートネットワークのプライベートの意味

プライベート環境でのネットワーク設定となります。

自宅や職場の Wi-Fi ネットワークで、信頼できるネットワークの場合に使用します。
この設定のPCは、ネットワーク上の他のデバイスに検出されます。
そのため、このPCはプリンターやファイル共有に使用できます。

プライベート環境で快適さを優先したいなら、プライベートネットワーク設定とします。

Windows10と11で、パブリックとプライベートの位置づけが微妙に違う

マイクロソフトの公式で、Windows11からパブリック設定が推奨となっています。

Windows10では
・パブリックは、外出時に接続するネットワーク
・プライベートは、自宅または勤務先など信頼できるネットワーク
となっていて、パブリックの設定は外出時だけでした。
Windows11でパブリックに(推奨)と追記され
・パブリックは、自宅/職場/公共の場所で接続するネットワーク
・プライベートは、ネットワーク上のユーザーとデバイスを知り、信頼する必要がある
となり、外出時も自宅もパブリック設定を推奨しています。

この違いから、情報セキュリティにおける認識の変化が伺えます。

ネットワーク設定の「パブリック」と「プライベート」が紛らわしい

一見して、「プライベート」なネットワーク設定なら、他のPCとのファイル共有はされないと感じます。

言葉の印象でも、外部からPC内を見られたくないときは、「プライベート」にしたらいいのかな、と思ってしまいます。

なにしろ、プライベートの意味として非公開があります。

しかし、ネットワーク設定での使われ方は、利用する環境を指定するものです。
そのため、ネットワーク設定のプライベートの意味は、信頼して公開する環境にあること、として使われます。

このように、一般的な使われ方とは逆の意味になっています。

問題は、プライベートの方が、より個人に適した設定と思えることにあります。
その結果、プライベートの方がセキュリティが高いと勘違いしてしまいます。

また、プライベートがプライバシーに通じると思えることも原因のようです。
「プライバシー」が守られるなら高セキュリティです。
しかしそもそも、プライベートとプライバシーは違うので注意が必要です。

「パブリック」環境での設定と「プライベート」環境での設定

結局のところ、パブリックは「パブリック」環境での設定、プライベートは「プライベート」環境での設定、と理解すればいいでしょう。

ネットワーク設定における「パブリック」と「プライベート」は、使用シーンの環境を示しているんですね。

「パブリック」向け、「プライベート」向け、という意味だと早とちりして設定すると、大きな間違いを犯します。

おわりに

あなたのWindowsPCでは、ネットワーク設定は適切でしょうか?

言葉につまづかないで「パブリック」と「プライベート」の違いが理解できたらいいですね。

パソコンは、より適切に設定して使いたいものです。

この記事が参考になりましたら幸いです。

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