「在宅勤務やテレワーク」の値打ち

働き方

前に、コロナ収束後の在宅勤務「定着?それとも縮小?」という記事を書きました。
※記事はこちら↓
コロナ収束後の在宅勤務「定着?それとも縮小?」

筆者は、在宅勤務は廃止しないで制度化したらいいと考えています。

自身が在宅勤務をしたり、そうした人たちを見た経験から、そう思います。

今回は、在宅勤務やテレワークを定着させることが、人材確保と発掘へ及ぼす影響の話しです。

「在宅勤務やテレワーク」のメリットとデメリットは決めつけられない

在宅勤務のメリットとデメリットはよくあげられます。
様々な記事でも論点として最も多く見られ、だいたい一様です。

メリット
①優秀な人材が確保しやすくなる
※通勤圏ではない人材の採用可能性
②柔軟な働き方に対応できるようになる
※社員の定着率が向上
③緊急時でも通常通り業務を行える
※リスク分散が可能
④オフィスや通勤コストが削減できる(会社側)
※通勤ストレスがなく生産性があがる(社員側)
⑤時間が節約できる
※通勤や移動時間を他に回せる
⑥外的なストレス要因を減らせる

デメリット
①社内のコミュニケーションが減少する
②業務のパフォーマンスが低下する
③マネジメントやチームワークに支障をきたす
④情報セキュリティの不安がある
⑤勤怠時間の管理が難しい
⑥社内対応を必要とする業務ができない

挙げられる内容は概ね以上です。

これらの内容はそのとおりで、説明がなくても分かる内容です。

しかし、メリットやデメリットは聞いているだけでは仕方のない面があります。
重要なのは、受け身ではなく、自社や自身のことに置き換えて考えることです。
なぜなら、これらの内容の中には、メリットやデメリットと言い切れないものがあり、個々に判断すべきものがあるからです。

メリットとデメリットを決めつけられないものがあるということです。

「業務のパフォーマンス」について考える

ここで「業務のパフォーマンス」について考えてみます。

メリット②業務のパフォーマンスが低下する
とは、そのとおりと言えないこともあります。
出社時のように電話対応や問い合わせ対応に業務中断されにくいという利点もあります。
そうすると、業務に集中できるので、逆にパフォーマンスが上がります。

業務のパフォーマンスは最も重要です。
会社側の関心も極めて高いと言えます。
「業務のパフォーマンスはどうか」とは、私もよく聞く言葉で、聞かれたこともあります。

ただ、この業務のパフォーマンスは、社員それぞれです。
業務のパフォーマンスは
・社員個々の能力やスキル
・社員個々の在宅環境
に左右されます。

社員個々の能力やスキルは、在宅勤務やテレワークでは最重要です。
能力やスキルが足らないと在宅勤務やテレワーク時のパフォーマンスは下がります。

社員個々の在宅環境は、在宅勤務に適するか否かの意味で最重要です。
他の家族がいる場合、リビングで仕事したり、食卓を仕事机にしていたりではパフォーマンスが下がります。
この場合、能力やスキルがあってもパフォーマンスが下がります。

「在宅勤務やテレワーク」で業務のパフォーマンスを維持するためには、社員個々の能力やスキルがあり、在宅環境が仕事に適していることの2つが必要です。

「在宅勤務やテレワーク」に対する視点

結局のところ「在宅勤務やテレワーク」で最も重要なのは「業務のパフォーマンス」です。
会社は「業務のパフォーマンス」を重要視しています。

しかしその「業務のパフォーマンス」は人によってかなり違います。
人によってかなり違うなら、メリットにもなるしデメリットにもなります。
どちらにでも転ぶなら、個々に見なければメリットになるかデメリットになるか分かりません。
したがって、業務のパフォーマンスが低下するなどと決めつけるのは不当です。

このような場合、どんなにメリットとデメリットを説いても、実態にそぐわないことになります。
決めつけ感が否めず、会社としては、一般的な意見として参考にしたらいいだけでしょう。

求められるのは、会社が「在宅勤務やテレワーク」を「定着するか縮小するか」の判断材料です。
でも、最大関心事の「業務のパフォーマンス」が人によってかなり違う、では判断基準となりません。

そこで、「在宅勤務やテレワーク」に対する新たな視点が必要となります。

これまでの決めつけ視点とは違い、別の角度からも見ることで、より良い判断をすることができるでしょう。

「在宅勤務やテレワーク」の値打ちを別の角度から見てみる

「業務のパフォーマンス」は人によってかなり違うことを述べました。
そして「在宅勤務やテレワーク」で業務のパフォーマンスを維持するためには、社員個々の能力やスキルがあり、在宅環境が仕事に適していることの2つが必要なことを述べました。

最も正確に判断するためには「在宅勤務やテレワーク」をしてみて「業務のパフォーマンス」が維持できるか否かを個々に見ればいいだけです。

人によって業務のパフォーマンスが違うなら、やってみて判断すればいいと言えます。

「在宅勤務やテレワーク」で業務のパフォーマンスが維持できる人は、能力やスキルがあり、かつ在宅環境が仕事に適している人といえます。
別の言い方をすれば、一人で仕事をしてもやっていける人です。

自己管理ができて、やるべき業務が明確で、出社時と同じパフォーマンスを発揮します。

このような人を、インカメラで監視したり、マウス操作やカーソルの動きを監視したり、パソコンの作業画面を定期的に自動撮影したり、上司の呼びかけに返事させたりする必要はありません。
一人でも仕事をやっていける人に対して、会社はこのような行為をしてはいけません。

一人でも仕事をやっていける人は人材です。
人材は「在宅勤務やテレワーク」で業務のパフォーマンスが維持できる人の中に居ます。
人材確保と発掘をしたい会社ならば、ここに目を付けない手はないでしょう。

「在宅勤務やテレワーク」の値打ちはそこにあります。
一般的に有用な人材を見極めることは難しいと思いますが、かくも簡単に分かります。

一人でも仕事をやっていける人が社員としていてくれることが、会社の発展に欠かせないと思います。
そうした社員を社外に流出させては未来は暗いと言えます。

「在宅勤務やテレワーク」は、こうした角度から見てみると、定着し制度化する値打ちがあります。

「在宅勤務やテレワーク」のデメリットをメリットに変える

「在宅勤務やテレワーク」を定着し制度化したとしても、必ずしなければならないわけではありません。
制度を作り、状況次第で働き方を選択できるようにしておくといいでしょう。

そして誰しも一度は「在宅勤務やテレワーク」を経験してみるべきです。
特に自らは例外と思い、経験することの外にある人たちには問題があります。
経営層や上位の管理者に多い傾向があります。

なぜ問題かを一言でいえば「時代遅れ」だからです。
時代遅れの会社はIT化が遅れている傾向があるでしょう。

別の記事で「在宅勤務は社会現象と軌を一にしている」ということを書きました。
そのなかで「在宅勤務自体に壁があるのではなく、在宅勤務がいつでもできるくらいにまでIT化できているか否か」という視点で考えるといいでしょう、といった考え方を推奨しました。

経営層や上位の管理者ほど、こうしたことを常に考え、率先していくことが大切です。
そのために自身が経験することは是非とも必要です。

こうしたことが求められる理由は、巷間で言われるメリットとデメリットが、自社や自身に当てはめると逆転することがあるからです。
そしてこの逆になる場合は、経験していないと分かり辛いのです。

経験してみてパフォーマンスが維持できないなら「何故?」かを考えましょう。
ある人はパフォーマンスを維持できるのに、自分は何故に維持できないかを考えて理由を明らかにすることは成長につながります。

そうしていろいろと気付くことが多く、これが結構な仕事をします。
気付きがあるほど「在宅勤務やテレワーク」のデメリットをメリットに変えることも可能となります。

未来に向けてどうしたいのかを考える

「在宅勤務やテレワーク」は、働き方改革における一つの方向性でしょう。
方向性が明らかな以上、推進すべきです。

この記事では「在宅勤務やテレワーク」を定着し制度化することが、人材確保と発掘へつながるメリットを示しました。

一方、別の記事になりますが、一般的に在宅勤務のデメリットとされる
「社内のコミュニケーションが減少する」
「情報セキュリティの不安がある」
について、実体験を踏まえて考える材料をまとめました。

※記事はこちら↓
在宅勤務のデメリット「社内のコミュニケーションが減少する」は本当か?
在宅勤務のデメリット「情報セキュリティの不安がある」は本当か?

メリットとデメリットは各々によって違うと理解し、他律的ではなく自律的に行動すべきでしょう。
未来に向けてどうしたいかを考えるのは、自社であり自分です。

まとめ

会社や自身が考え判断してゆくことは、常に大切です。

今回は「在宅勤務やテレワーク」の値打ちを別の角度から見てみて、メリットとデメリットを再考するすすめ、といった内容でした。

コロナ禍があったり、働き方改革があったりして、「在宅勤務やテレワーク」には後押しがありました。
この頃では、コロナ収束後にどう変化するかといったことが語られます。

しかし「在宅勤務やテレワーク」に変化はあれど、その方向性は変わらないと言えるでしょう。

「在宅勤務やテレワーク」は必要です。
必要なものは残るので、会社や自身は、迷わずその方向で未来環境を構築していけばいいと思います。


この記事が参考になれば幸いです。

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