5月にピークだった不審電話が6月第2週にピタリと止みました。
前回のコラムで「詐欺電話は年度の変わり目に多い」ことに言及しました。
記事はこちら↓
携帯も固定電話も詐欺が増加!不審な番号を確認すると
このコラムをアップしたのは6月8日です。
春先から増えていた不審電話がこの日まで続きましたが、アップしたのを境にピタリと止まり、まるで見られているかのような感じです。
この機会に、不審電話が集中する時期について、再検証します。
予兆電話件数に表れる詐欺が活発化する時期
予兆電話件数に詐欺が活発化する時期が現れます。
予兆電話とは
警察が把握した、電話の相手方に対して、住所や氏名、資産、利用金融機関等
を探るなどの特殊詐欺が疑われる電話を指します。
予兆電話件数の単月推移(東京都:令和4~7年5月)
・令和4年は34663件、6~9月が多い
・令和5年は26130件、1~3月が多い
・令和6年は35715件、10~12月(13527件)に急増
・令和7年の1~3月は15093件、前年10~12月を超えている
・令和7年の4~5月は9359件、引き続き多く高水準
引用元はこちら↓
令和7年5月末現在の特殊詐欺被害状況について(暫定値)
※2/3頁「4 犯行予兆電話の状況」参照
引用:警視庁ホームページ>安全な暮らし>だまされないで(特殊詐欺に注意)>特殊詐欺根絶アクションプログラム・東京>令和7年5月末現在の特殊詐欺被害状況について
令和元~4年は以下になります。
・令和元年は36714件、2~5月と10月が多い
・令和2年は30975件、3月と10月が多い
・令和3年は34661件、2~5月が多い
・令和4年は34663件、6~9月が多い
詐欺の動きに係わる要素
考慮すべきこととして
・令和2~4年はコロナ禍
・令和4年の6月末から7月初は参議院選挙
・令和5年はコロナ禍が終息に向かっているが完全に脱していない
・令和6年の10月は衆議院選挙
があります。
これらの要素は詐欺の動きに影響を及ぼしていると言えそうです。
予兆電話件数の単月推移から分かること
予兆電話件数の単月推移に詐欺の動きに係わる要素を合わせると以下のことが分かります。
・コロナ禍の時期は詐欺の動きが鈍い
・国政選挙の時期は詐欺が活発化する
詐欺を完成させる流れに、電話以外の行動が必要となる部分があるので、社会活動に連動せざるを得ないと思われます。
社会活動が停滞するなかでの行動は目立つのでやりにくいのでしょう。
総じて、春と秋の人の移動が多い時期に詐欺の動きが活発化します。
人に紛れることができるのは好都合です。
令和4年については、コロナ禍と参議院選挙が係わっているので例外的な動きです。
また、令和6年は、秋の移動時期と衆議院選挙が重なって動きが活発化しています。
この流れは、令和7年になっても増え続けています。
世間一般は、物価高で生活が苦しいうえ、治安も悪化しています。
詐欺の動きが底上げ傾向であるなら由々しき問題です。
詐欺電話は人の移動が多い時期に活発化する
「詐欺電話は年度の変わり目に多い」ことは間違いありません。
ここで、これをストレートな表現にします。
「詐欺電話は人の移動が多い時期に活発化する」となります。
補足すると「経済活動に付随して変動する」と言えます。
分かりやすいですね。
悪事を働くにしても経済活動の範疇としてみれば、あたりまえのことです。
とはいえ「やはり不審電話は年度の変わり目に多かった」ということが結論です。
一時は、不審電話の多さに閉口し、自分だけに起きていることかと心配しました。
そこで、警察の資料を参考にして、不審電話が集中する時期について再検証しました。
参考になりましたら幸いです。